沖縄民謡の早弾き曲と言えば？

沖縄民謡に少し詳しい方は「ヒヤミカチ節」を挙げるのではないでしょうか？

もしくは、エイサーに使用される「唐船ドーイ」を想像する方も多いかもしれません。

祝の席やエイサーのラストを飾る楽曲として定番の「唐船ドーイ」は、以前特集ページで紹介しています。
「エイサーの早弾き曲唐船ドーイ、歌詞など魅力に迫る！」特集ページ。

今回は「唐船ドーイ」にも負けず劣らず三線初心者の憧れの楽曲、「ヒヤミカチ節」のご紹介をさせていただきます。

三線の高音域まで使用した早弾きで派手な印象の「ヒヤミカチ節」を華麗に弾きこなす姿はカッコイイですよね。

そこで、沖縄民謡好きのユーザーが多い沖縄ちゅらサウンズでは今回「ヒヤミカチ節」の特集をさせていただきます。

沖縄ちゅらサウンズではこれまでにも三線初心者におすすめの楽曲を紹介する特集ページを公開しています。

ヒヤミカチとは沖縄の言葉で「えいっ！っと気合を入れる」といった意味を持っています。

「ヒヤミカチ節」という楽曲は今帰仁村出身の平良新助氏が詠んだ琉歌を元に誕生した戦後生まれの民謡曲です。

平良新助氏はアメリカに移住し経営者として成功を収めた後、第二次世界大戦で地上戦を経験した沖縄に帰郷した際、 荒廃した故郷を励ますために琉歌を詠んだ人物です。この琉歌が「ヒヤミカチ節」の1番の歌詞になっています。

※琉歌とは？
沖縄で古くから読まれた詩型で、沖縄方言による8・8・8・6の30文字の詩型です。
琉歌は昔の沖縄の人は文字が書けなくても誰でも即興で詠んでいたそうです。

平良新助氏のうちなんちゅを励ましたい気持ちに共感した音楽学者であり琉球古典音楽（湛水流）の伝承者でもある山内盛彬氏が 2番以降の歌詞と曲を加え「ヒヤミカチ節」が誕生したと言われています。

現在では早弾き曲の定番になっていると最初にご紹介させていただきましたが、実はこの「ヒヤミカチ節」は 誕生した当初は早弾きの楽曲ではなかったそうです。

誕生して約70年の間に歌い継がれていく中でだんだんテンポが速くなり現在では早弾きの定番楽曲となりました。

楽曲誕生の経緯にもあるように応援や励ましの意味を含んだ楽曲であるため、より勢いよく演奏する傾向に 変化したのではないかとも思われます。

そんな、三線初心者が憧れる早弾きの定番楽曲「ヒヤミカチ節」ですが、 沖縄ちゅらサウンズでは様々なアーティストが演奏する「ヒヤミカチ節」を配信しています。

比較的スローテンポで誕生当時に近い演奏をしているのが登川誠仁さんのアルバムに収録されている音源。

現在の早弾きを堪能をできる音源としては金城恵子さんのアルバムに収録されている音源。

パーシャクラブのリーダー兼プロデューサー“上地正昭”としゃかりのリーダー兼プロデューサー“カンナリ(上地一成)”プロデュース、2015年に惜しまれつつも活動を終了した沖縄POPSユニットが歌うヒヤミカチ節はこちら。

会員の方は無料で試聴が出来るので色々なアーティストが演奏する「ヒヤミカチ節」を聴き比べて お気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか？

沖縄県民の希望の象徴となった「ひやみかち節」の精神を次世代に伝え、沖縄の文化芸能を世界に発信する為に 「国際ひやみかち節コンクール」も開催されています。今年で6回目を迎えたそうです。

年齢、性別、プロ、アマ、ジャンル・・・不問。演奏形態やアレンジの有無は問わず、競うのは「演奏力」「歌唱力」「表現力」、そして何よりも「ひやみかち力」！

本選

• 日時：2018年4月15日(日)午後3時
• 場所：沖縄市民小劇場あしびなー

こういった民謡楽曲に対する新たなアプローチはとても面白いと感じます。

三線の早弾き曲として有名な「ヒヤミカチ節」は戦後にうちなんちゅを励ます為に平良新助氏が詠んだ琉歌に、 音楽学者の山内盛彬氏が曲と2番以降の歌詞を加えた楽曲。

誕生当時は現在ほど速いテンポではなかった。
応援や励ましの気持ちからだんだんテンポが速くなったのではないだろうか。

現在も沖縄の人々を励まし続けている「ヒヤミカチ節」はこれから先どのように変化していくのだろうか？

伝統を守り当時の演奏を残していく事も大切であるが、時代と共に姿を変えていく沖縄民謡はとても興味深いと感じないだろうか。